
2025年6月、オメガの定番人気コレクション「シーマスターアクアテラ」の小径モデルとして新たに加わったのは、専用設計を持つケース直径30mmのモデル群でした。なんと本作専用に新しく設計されたマスタークロノメーターの自動巻きムーブメントを載せており、オメガが本作に対する本気度がひしひしと伝わってくる時計です。今回はそんな新型シーマスター アクアテラ 30mmを詳しくご紹介します。
どんな場面でも活躍できる完成度の高さ
オメガの「シーマスター」といえば、時計界で非常に有名なブランドの顔でもある「スピードマスター」に並ぶ定番人気コレクションであり、今でも数多くのモデルを展開しています。
歴史を振り返れば、現在販売されているコレクションのほとんどはシーマスターから派生していったモデルであり、このシーマスターこそが現代のオメガのコレクションの基礎を作り上げたといっても過言ではありません。
初めてシーマスターと名付けられたモデルが作られたのは1948年のこと。当時は軍用時計として作られたものであり、潜水に特化したダイバーズウォッチというわけではなかったものの、その名称が示す通り高い防水性を持っていました。陸・海・空、どの場面でも着用できる汎用性の高さが評価され、英国軍などに供給されていたのです。

この初代シーマスターを祖としながら、様々な分野に特化したモデルが作られていきました。防水性能を高めたダイバー向けのシーマスターや、時間計測ができるクロノグラフ機能を載せたスピードマスター、耐磁性を向上させた鉄道員向けのレイルマスターなど。各分野のプロフェッショナル達に重宝され、時代の進歩とともにコレクションを拡大させていき、現在に至ります。
シーマスターの新顔、アクアテラ
今回の主役「シーマスター アクアテラ」が誕生したのは2002年のこと。かつて展開されていた「シーマスター120」というシリーズの後継として生み出されました。
モデル名のアクアテラとはラテン語で「海と地球」を意味しており、海辺のリゾートやヨットに着想を得たシンプルかつ上品なデザインが特徴的です。現在のシーマスターシリーズは、このアクアテラのほかにダイバー300、プラネットオーシャン、ヘリテージと4つのコレクションに分かれていますが、他と見比べるとアクアテラのシンプルさが際立ちます。

アクアテラは共通して150mという十分に高い防水性能を備えているものの、他のダイバー300のように回転ベゼルや分厚いケースを持っていません。アクアとテラ、つまり海だけではなく地球上すべての場所で活躍できるという意味に捉えられます。まさに何でもこなす優等生と言えるでしょう。
実際にアクアテラを着けて海に飛び込むこともできれば、嫌味のない外見ゆえにスーツ姿にも合わせることもできます。活躍できる場面の広さは、初代シーマスターに通じるものがあり、この完成度の高さこそシーマスター アクアテラの魅力なのです。
オメガが提案する新たな選択肢
さて、現在販売されているシーマスターアクアテラは、豊富なサイズ展開も人気の秘訣です。最も種類の多いメンズ向けのケース直径41mmのモデルを基本とし、ワールドタイム機能を搭載した43mm、2022年に加わりユニセックスなデザインを取り入れた38mm、レディース向けの34mm、唯一のクォーツモデルである28mmというラインナップです。

そして今回、豊富なサイズ展開の中に新たに加わったのが30mmという絶妙なサイズであり、シーマスターアクアテラを選ぶ女性に新たな選択肢を与えてくれました。34mmでは大きすぎるものの、28mmだと小さいと感じられている方に、ぜひともお試しいただきたいモデルです。

ケース素材及び文字盤の種類も豊富で、ブレスレットまでフルゴールドの高級機からコンビモデル、スタンダードなステンレスモデルがあり、文字盤も艶やかなホワイトシェルや鮮やかなグリーンなど、計12種類もラインナップしています。今回は小倉店に入荷したコンビのホワイト、ステンレスのブラック、ブルー、パープル、ダイヤモンドがセットされたグレー文字盤の5モデルを写真でご紹介します。

フェイスのデザインは、38mmや34mmのレディースモデルと同様に優美さが感じられます。メンズモデルとの大きな違いは、デザインにおいて曲線を多用している点。例えば文字盤上のインデックスは細長い楕円形で、6時位置の日付表示は丸窓になっています。
加えてケースの仕上げは全面が光沢のあるポリッシュ仕上げで、あえて鋭利な角部を落としていることに気づきます。このような配慮により、直感的に全体が柔らかな印象を受け、フェミニンな時計として仕上げているのです。

完全新規設計のムーブメントを搭載
そしてこの30㎜モデルを作るにあたって、オメガはケースの図面を起こしただけでなく、搭載する自動巻きムーブメントまでも新たに設計・製造を行いました。
同一コレクションのサイズ違いを作る際、ケース直径は違っても、コストを抑えるために中のムーブメントは既にあるものを使うことが多い中、オメガは新型ムーブメントをゼロから作ってしまうという手法を取りました。このことからもオメガの本気度が伺い知れます。
本作に搭載されたキャリバー8750は、直径わずか20mmの超小型自動巻きムーブメント。こんなに小さなサイズでありながら、オメガの名に恥じない高精度を保証する、マスタークロノメーターの認証を受けているのです。他のオメガの自社製ムーブメントと同様にコーアクシャル脱進機というメカニズムを備えているため、高い耐磁性と精度を保ちます。そして油切れを起こしにくいという特性から、オーバーホールの頻度は一般的な3~5年に対しおよそ8年のため、メンテナンス費用を抑えられる点もメリットです。

またこの自動巻きムーブメントは、シースルーバックになった裏蓋から鑑賞することもできます。これはひとまわり小さな28mmのクォーツモデルと明確に区別させるためでしょう(クォーツモデルは象徴的なシーホースがあしらわれている)。精度を含めた利便性はクォーツが勝るかもしれませんが、機械式時計ならではの価値を見出すオメガらしい試みであると言えます。
それから特筆すべきはブレスレットのバックル部分です。こちらは両開きのバタフライ式なのですが、その片方に2mm幅の延長ができる「コンフォートセッティング」と呼ばれる機能が搭載されています。使い方は簡単で、バックルの根元側面にある小さなボタンを押しながらスライドさせるだけ。汗をかく夏場など、ブレスレットを緩めたいときに重宝する便利なものです。

直径30mmのケースは、服装や手元を邪魔しない、それでいて小さすぎないという絶妙なサイズ感。オメガが本気で刷新した「シーマスター アクアテラ30㎜」をぜひ試してみてはいかがでしょうか。

【スペック】
オメガ「シーマスター アクアテラ 150M 」
品番
ステンレススティールケース・ブラック文字盤モデル:220.10.30.20.01.001、ブルー文字盤モデル:220.10.30.20.03.001、パープル文字盤モデル:220.10.30.20.10.002、K18コンビ・シルバー文字盤モデル:220.20.30.20.02.001、ダイヤモンドベゼル・ステンレススティールケース、グレー文字盤モデル:220.15.30.20.56.001
ケース:ステンレススティール、K18ムーンシャインゴールド(直径30mm、厚さ10.55mm)、150m防水
ムーブメント:Cal.8750(機械式自動巻き、パワーリザーブ約48時間)
機能:時・分・秒、日付表示
価格 ステンレススティールモデル:100万1000円(税込み)、K18コンビモデル:167万2000円(税込み)、ダイヤモンドベゼル・ステンレススティールケースモデル:201万3000円(税込み)、2025年8月現在