
オメガの顔としてその名を馳せる「スピードマスター」「シーマスター」に続く人気コレクションであり、現代のトレンドであるラグジュアリースポーツ、通称”ラグスポ”らしいディテールを持つ「コンステレーション」。4本のツメが設けられたケース構造や一体型ブレスレットは、ひと目でそれとわかる特徴を持っています。今回は、そんなコンステレーションの中でも人気の高い、セラミック製のベゼルを採用した4モデルとともに、本シリーズの魅力を紐解いてまいります。

スターマークは高精度の証
オメガの象徴的なモデルと言えば、宇宙を旅し月面着陸を果たしたことでも知られる「スピードマスター」と、高い防水性能を備えた実用性抜群のダイバーズウォッチ「シーマスター」の2種類が上げられます。
人気と知名度ともに群を抜いて高いふたつのシリーズですが、それに次ぐコレクションとして今回ご紹介する「コンステレーション」が挙げられるでしょう。ケース径の小さなレディースモデルのイメージが強い印象がありますが、近年ではメンズモデルのラインナップも充実しており、オメガの名に恥じぬ完成度の高さを誇ります。

モデル名にもなっているコンステレーションとは「星座」を意味し、かつて精度を徹底的に追求した、高精度のモデルに与えた名称でした。その証拠として、すべての現行モデルの文字盤にはスターマークが輝いています。それではまず、コンステレーションの歴史を大まかに振り返ってみましょう。
形を変えながら進化を続けてきたコンステレーション
さて、コンステレーションが発表されたのは1952年、当時は種類が少なかった自動巻きのムーブメントを搭載したメンズモデルとして誕生したのが始まりです。オメガの創業100周年を祝う記念モデルとして少数が生産された「センテナリー」というモデルの量産型として、外見を新たに製作されました。

コンステレーションにおいて最も重きを置かれたのは”高い精度”に他なりません。現代のオメガでは当たり前になっているスイスのクロノメーター認定を受け、何よりも正確に時を刻む腕時計を目指しました。時計の精度を競う「天文台コンクール」で非常に優秀な成績を収めたことから、このコンステレーションには輝く”星”のモチーフが与えられたのです。
外見上の特徴は、文字盤の中央部分が12角形状に膨らんだ、通称「パイ-パン ダイアル」と呼ばれる立体的な文字盤です。お菓子のパイを焼く際に用いる皿に似ていることからこの名で呼ばれており、現在ではコンステレーションの一種に分類される「グローブマスター」に12角形デザインが受け継がれています。1960年代のコンステレーションからは、このパイ-パン ダイアルから一般的なフラットダイアルに改められ、異なる様々なデザインを取り入れた数多くのモデルが誕生しました。
そして、コンステレーションを語るうえで外せないのが、1964年に誕生した「Cライン」と呼ばれるケースを持つ「コンステレーションⅢ」というモデルです。
ラグからケースサイドにかけてシームレスにつながる曲線的なデザインは、オーデマ ピゲの「ロイヤルオーク」やパテック フィリップの「ノーチラス」をデザインしたことで広く知られる伝説的なウォッチデザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏によって生み出されたもの。優美な外見と実用に耐えうる防水性を両立させたCラインは、コンステレーションの歴史的名作として語り継がれています。
それから時は流れて1982年、現代のコンステレーションのデザインの祖となったモデル「マンハッタン」が誕生。コンステレーションは、高精度という武器を持ちながら、これまでにない新しいデザインを生み出すということにも挑戦しました。

今の”ラグスポ”の源流となったケース・ブレスレット一体型のデザインを当時から採用し、ドレッシーだった歴代モデルから一変、スポーティーな作風を取り入れるようになりました。何より革新的だったのは、防水性を高めるために、ベゼルに設けられた4本のツメでサファイアクリスタル製の風防を押さえるというケースの構造です。この象徴的なデザインは形を変えて現行のコンステレーションにも取り入れられています。
機械式と比べ物にならないほど高精度なクォーツ式が普及したという時代背景から、1980~90年代のコンステレーションにはクォーツ式が採用されてきました。しかしその流れを変えたのが、2003年に誕生した「ダブルイーグル」というモデルでした。

オメガの代名詞である「コーアクシャル脱進機」を組み込んだ機械式ムーブメントを搭載すると同時に、デザインが一新されました。ケースサイドからベゼルへつながる4本のツメや、ブレスレットと一体型のケースといった特徴は継承されながらも、より重厚で現代的な雰囲気にアレンジが加わりました。2020年に誕生した第5世代目となる現行モデルまで、その基本的なデザインは変わっていないのです。
それでは、今のコンステレーションを象徴する4本の現行モデルを見ていきましょう。共通するのは、直径41mmケースにセラミック製のベゼルを組み合わせ、マスタークロノメーターの認定を受けた高精度なムーブメント、キャリバー8900を搭載している点です。現代らしい素材やカラーリングの組み合わせで、あなたの心惹かれる1本を見つけてみてください。

隕石を閉じ込めた唯一無二の表情
まずはじめにご紹介するのは、コンステレーションの中でも特に注目度の高い、メテオライト文字盤を採用した1本です。本作に採用されたのは、1906年にスウェーデンの北部で発見された「ムオニナルスタ隕石」で、今からおよそ80万年~100万年前に落下したと想定されています。

品番:131.30.41.21.99.001
ケース:ステンレススティール(直径41mm、厚さ13.4mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:154万円(税込み)、2025年9月現在
この隕石から作り出されたメテオライト文字盤の表面には、「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれる独特な模様が現れています。長い年月をかけて冷えて固まった際に生まれたこの模様は、見る方向や光の当たり具合によって見え方が変化します。自然が生み出した隕石は当然ながらふたつとして同じものが製造できないため、1本1本が唯一無二の表情を持っているのです。

そして、文字盤の雰囲気と合うようにベゼルはブラックセラミック製となっています。さらには文字盤上の針やインデックス、オメガのロゴマークまでPVDコーティングによりブラックに着色され、モノトーンな統一感が全体を引き締めている印象です。文字盤の素材だけではなく、時計全体のカラーリングにまで気を配るのはオメガらしいと言えるでしょう。スターマークも相まって、宇宙へ思いを馳せるに相応しいモデルです。

セラミック文字盤が生み出す爽快な艶感

品番:131.33.41.21.04.001
ケース:ステンレススティール(直径41mm、厚さ13.5mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:152万2000円(税込み)、2025年9月現在
続いて2本目、ホワイトとブルーの組み合わせにより爽快感あふれる印象の本作は、2022年に発表されました。ベゼルだけではなく文字盤までセラミック製となっている非常に珍しいモデルです。
その証拠に、文字盤の中央部分に素材の化学式がひっそりと記載されている点に注目。「ZrO²」とはジルコニアのことで、セラミックの中で最も高い強度を持った素材です。傷がつきやすいベゼルにも文字盤同様のジルコニアセラミックを使うことで、新品同様の美しい状態を長く保つことができます。

さらに注目は、ブルーセラミック製のベゼルに施されたローマ数字。このホワイトのローマ数字はプリントなどではなく、ガラス質の粉末を高温で溶かして流し込む、伝統的なグラン・フー エナメルの技法が採用されています。また先述したメテオライトモデル同様に、ベゼルと針・インデックスのカラーリングが統一されており、こちらはブルーとなっているため手元を明るく爽やかに演出してくれるでしょう。
加えて本作はステンレス製のブレスレットではなく、フォーマルさも兼ね備えたストラップ仕様(ブレスレット仕様も用意)。ラバーストラップの表面にアリゲーターレザーを縫い付けている構造のため、汗をかく夏場でも安心して使用できます。

ゴールド×グリーンが上品な印象を与えるドレス・コンステレーション

品番:131.23.41.21.10.001
ケース:ステンレススティール×18Kイエローゴールド(直径41mm、厚さ13.5mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:159万5000円(税込み)、2025年9月現在
続いて3本目、ステンレスと18Kイエローゴールドとのコンビネーションが美しい、上品さにあふれた1本がこちらです。コンステレーションの象徴的な4本のツメと、ストラップとの接続パーツ、リュウズに加えて、文字盤上の針やインデックスも18Kイエローゴールド製。深いグラデーションがかけられたグリーン文字盤がゴールドとのコントラストを高め、十分な視認性も確保しています。

一方で文字盤を取り囲むベゼルはブラックセラミック製です。注目はベゼル表面のローマ数字。先述のブルーセラミックベゼルと同じように、このローマ数字はプリントではなく別素材の流し込みによるもので、本作では「セラゴールド」というオメガ独自の技術が用いられています。これは、セラミックとゴールドを結合させ、セラミックの表面にゴールド製の装飾を施すという、非常に手間がかかる手法。そのためプリントなどでは表現できない、イエローゴールド本来の色味でローマ数字が輝くのです。
また本作もストラップ仕様で、ラバーの表面にアリゲーターレザーを縫い付けたものであるため、本来のアリゲーターストラップのように夏場でも汗を気にする必要がありません。

シルクのような文字盤が高貴なブラウンセラミックモデル

品番:131.23.41.21.06.002
ケース:ステンレススティール×18Kイエローゴールド(直径41mm、厚さ13.4mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:159万5000円(税込み)、2025年9月現在
最後にご紹介するのは、ステンレスと18Kイエローゴールドとのコンビネーションに、ブラウンカラーのセラミックベゼルを組み合わせたモデルです4本のツメ、ストラップとの接続パーツ、リュウズ、そして文字盤上の針やインデックスが18Kイエローゴールド製となっています。また先述したように、ベゼルのローマ数字は「セラゴールド」技術によって施されている点も共通しています。
本作だけの特徴は文字盤にあります。シルク素材のようにも見える文字盤の表面にはランダムなエンボス加工が施され、なんとも独特な雰囲気を漂わせています。注視すると細かな線が斜め方向に無数に入っており、そこに光が入ることで角度により立体的にも平面的にも見えるのです。

また本作のストラップは、セラミックベゼルに合わせたブラウンカラー。ステンレス製ブレスレットの仕様とは全く別モデルに見えるほど高貴な印象を受けます。しかしながらケースからシームレスにつながる美しい曲線は健在。スポーティーとドレッシーが交差する、上品なコンステレーションです。

さて、ここまで代表的な4モデルをご紹介いたしましたが、これらはほんの一部です。コンステレーションは非常に種類が豊富で、特にバリエーション豊かなレディースモデルを含めると、なんと247種類も用意されています(2025年9月現在)。そのうちメンズモデルは、ストラップの仕様違いなども含めると60種類です。数多く用意されたバリエーションの中から、貴方好みの1本を探してみてください。