オメガの輝く”星” 。セラミックベゼルを採用したラグスポウォッチ、コンステレーションの魅力を紐解く

左から、メテオライト文字盤モデル(Ref.131.30.41.21.99.001)、セラミック文字盤モデル(Ref.131.33.41.21.04.001)

オメガの顔としてその名を馳せる「スピードマスター」「シーマスター」に続く人気コレクションであり、現代のトレンドであるラグジュアリースポーツ、通称”ラグスポ”らしいディテールを持つ「コンステレーション」。4本のツメが設けられたケース構造や一体型ブレスレットは、ひと目でそれとわかる特徴を持っています。今回は、そんなコンステレーションの中でも人気の高い、セラミック製のベゼルを採用した4モデルとともに、本シリーズの魅力を紐解いてまいります。

左から、グリーン文字盤モデル(Ref.131.23.41.21.10.001)、シルクエンボス文字盤モデル(Ref.131.23.41.21.06.002)
目次

スターマークは高精度の証

オメガの象徴的なモデルと言えば、宇宙を旅し月面着陸を果たしたことでも知られる「スピードマスター」と、高い防水性能を備えた実用性抜群のダイバーズウォッチ「シーマスター」の2種類が上げられます。

人気と知名度ともに群を抜いて高いふたつのシリーズですが、それに次ぐコレクションとして今回ご紹介する「コンステレーション」が挙げられるでしょう。ケース径の小さなレディースモデルのイメージが強い印象がありますが、近年ではメンズモデルのラインナップも充実しており、オメガの名に恥じぬ完成度の高さを誇ります。

コンステレーションはバリエーションの豊富さも魅力のひとつ。文字盤やベゼル、ストラップ素材の組み合わせ次第でスポーティにもドレッシーにも変化します。

モデル名にもなっているコンステレーションとは「星座」を意味し、かつて精度を徹底的に追求した、高精度のモデルに与えた名称でした。その証拠として、すべての現行モデルの文字盤にはスターマークが輝いています。それではまず、コンステレーションの歴史を大まかに振り返ってみましょう。

形を変えながら進化を続けてきたコンステレーション

さて、コンステレーションが発表されたのは1952年、当時は種類が少なかった自動巻きのムーブメントを搭載したメンズモデルとして誕生したのが始まりです。オメガの創業100周年を祝う記念モデルとして少数が生産された「センテナリー」というモデルの量産型として、外見を新たに製作されました。

1952年より生産が開始された初代コンステレーション。他と一線を画していたのは、搭載する自動巻きムーブメントCal.351の高い精度でした。また楔形の存在感のあるインデックスや、中央が角形に膨らんだ文字盤など、外見上でも特別な存在としてラインナップに位置していました。

コンステレーションにおいて最も重きを置かれたのは”高い精度”に他なりません。現代のオメガでは当たり前になっているスイスのクロノメーター認定を受け、何よりも正確に時を刻む腕時計を目指しました。時計の精度を競う「天文台コンクール」で非常に優秀な成績を収めたことから、このコンステレーションには輝く”星”のモチーフが与えられたのです。

外見上の特徴は、文字盤の中央部分が12角形状に膨らんだ、通称「パイ-パン ダイアル」と呼ばれる立体的な文字盤です。お菓子のパイを焼く際に用いる皿に似ていることからこの名で呼ばれており、現在ではコンステレーションの一種に分類される「グローブマスター」に12角形デザインが受け継がれています。1960年代のコンステレーションからは、このパイ-パン ダイアルから一般的なフラットダイアルに改められ、異なる様々なデザインを取り入れた数多くのモデルが誕生しました。

そして、コンステレーションを語るうえで外せないのが、1964年に誕生した「Cライン」と呼ばれるケースを持つ「コンステレーションⅢ」というモデルです。

ラグからケースサイドにかけてシームレスにつながる曲線的なデザインは、オーデマ ピゲの「ロイヤルオーク」やパテック フィリップの「ノーチラス」をデザインしたことで広く知られる伝説的なウォッチデザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏によって生み出されたもの。優美な外見と実用に耐えうる防水性を両立させたCラインは、コンステレーションの歴史的名作として語り継がれています。

それから時は流れて1982年、現代のコンステレーションのデザインの祖となったモデル「マンハッタン」が誕生。コンステレーションは、高精度という武器を持ちながら、これまでにない新しいデザインを生み出すということにも挑戦しました。

1982年発表の「コンステレーション マンハッタン」こそ、現在のコンステレーションが持つ特徴的なデザインの祖となったモデル。風防を押さえるために設けられた4本のツメは現在のものよりはるかに細く、ブレスレットコマの接続部分のデザインとも相まって、全体的に統一感を持たせていました。文字盤の6時位置にはクロノメーターとクォーツの文字が記され、高い精度への自信がうかがえます。

今の”ラグスポ”の源流となったケース・ブレスレット一体型のデザインを当時から採用し、ドレッシーだった歴代モデルから一変、スポーティーな作風を取り入れるようになりました。何より革新的だったのは、防水性を高めるために、ベゼルに設けられた4本のツメでサファイアクリスタル製の風防を押さえるというケースの構造です。この象徴的なデザインは形を変えて現行のコンステレーションにも取り入れられています。

機械式と比べ物にならないほど高精度なクォーツ式が普及したという時代背景から、1980~90年代のコンステレーションにはクォーツ式が採用されてきました。しかしその流れを変えたのが、2003年に誕生した「ダブルイーグル」というモデルでした。

2003年に発表された「ダブルイーグル」が持つ意匠は、現行モデルにほぼそのままの形で受け継がれています。前述のマンタッハンで採用された、風防を4本のツメで抑えるという構造が廃止された理由は、工作精度の向上によりその必要がなくなったから。代わりに太いベゼル上にツメが重なるデザインが採用されました。全体的に線が太く重厚な雰囲気となりましたが、コンステレーションの象徴的なものはきちんと残されています。

オメガの代名詞である「コーアクシャル脱進機」を組み込んだ機械式ムーブメントを搭載すると同時に、デザインが一新されました。ケースサイドからベゼルへつながる4本のツメや、ブレスレットと一体型のケースといった特徴は継承されながらも、より重厚で現代的な雰囲気にアレンジが加わりました。2020年に誕生した第5世代目となる現行モデルまで、その基本的なデザインは変わっていないのです。

それでは、今のコンステレーションを象徴する4本の現行モデルを見ていきましょう。共通するのは、直径41mmケースにセラミック製のベゼルを組み合わせ、マスタークロノメーターの認定を受けた高精度なムーブメント、キャリバー8900を搭載している点です。現代らしい素材やカラーリングの組み合わせで、あなたの心惹かれる1本を見つけてみてください。

コンステレーションのメンズモデルに採用されているCal.8900は、共通してシースルー仕様になった裏蓋から鑑賞できます。機械式時計の弱点である磁気に強く、その耐磁性は1万5000ガウス。医療検査で用いられるMRIの中で放置しても精度に問題がないほどの強さです。

隕石を閉じ込めた唯一無二の表情

まずはじめにご紹介するのは、コンステレーションの中でも特に注目度の高い、メテオライト文字盤を採用した1本です。本作に採用されたのは、1906年にスウェーデンの北部で発見された「ムオニナルスタ隕石」で、今からおよそ80万年~100万年前に落下したと想定されています。

オメガ「コンステレーション」メテオライト文字盤モデル
品番:131.30.41.21.99.001
ケース:ステンレススティール(直径41mm、厚さ13.4mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:154万円(税込み)、2025年9月現在

この隕石から作り出されたメテオライト文字盤の表面には、「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれる独特な模様が現れています。長い年月をかけて冷えて固まった際に生まれたこの模様は、見る方向や光の当たり具合によって見え方が変化します。自然が生み出した隕石は当然ながらふたつとして同じものが製造できないため、1本1本が唯一無二の表情を持っているのです。

メテオライト文字盤にクローズアップ。素材独特のパターンは幾何学的でも有機的でもあり、なんとも不思議な雰囲気を漂わせます。この直線状の模様に沿って光を反射するため、角度によってまったく異なる表情を見せます。

そして、文字盤の雰囲気と合うようにベゼルはブラックセラミック製となっています。さらには文字盤上の針やインデックス、オメガのロゴマークまでPVDコーティングによりブラックに着色され、モノトーンな統一感が全体を引き締めている印象です。文字盤の素材だけではなく、時計全体のカラーリングにまで気を配るのはオメガらしいと言えるでしょう。スターマークも相まって、宇宙へ思いを馳せるに相応しいモデルです。

重厚なブレスレットもコンステレーションの特徴で、ステンレス製のブレスレットモデルは総じてスポーティな印象を与えます。1982年の「コンステレーション マンハッタン」時代のデザインをベースとし、コマの接続部に円柱状のパーツが入る構造は基本的に変わっていません。コマの厚みも十分あるため、ケースとのバランスが考慮され快適な装着感が得られます。

セラミック文字盤が生み出す爽快な艶感

オメガ「コンステレーション」セラミック文字盤モデル
品番:131.33.41.21.04.001
ケース:ステンレススティール(直径41mm、厚さ13.5mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:152万2000円(税込み)、2025年9月現在

続いて2本目、ホワイトとブルーの組み合わせにより爽快感あふれる印象の本作は、2022年に発表されました。ベゼルだけではなく文字盤までセラミック製となっている非常に珍しいモデルです。

その証拠に、文字盤の中央部分に素材の化学式がひっそりと記載されている点に注目。「ZrO²」とはジルコニアのことで、セラミックの中で最も高い強度を持った素材です。傷がつきやすいベゼルにも文字盤同様のジルコニアセラミックを使うことで、新品同様の美しい状態を長く保つことができます。

平滑に磨かれ、針やインデックスを反射させるセラミック文字盤。美しい反面、他ブランドでも採用例が少ないのは、品質を安定させた量産化が難しいため。加えて、ベゼルのローマ数字はエナメルの流し込みによるものであるため、プリントのようにすぐ剝がれてしまう心配がありません。

さらに注目は、ブルーセラミック製のベゼルに施されたローマ数字。このホワイトのローマ数字はプリントなどではなく、ガラス質の粉末を高温で溶かして流し込む、伝統的なグラン・フー エナメルの技法が採用されています。また先述したメテオライトモデル同様に、ベゼルと針・インデックスのカラーリングが統一されており、こちらはブルーとなっているため手元を明るく爽やかに演出してくれるでしょう。

加えて本作はステンレス製のブレスレットではなく、フォーマルさも兼ね備えたストラップ仕様(ブレスレット仕様も用意)。ラバーストラップの表面にアリゲーターレザーを縫い付けている構造のため、汗をかく夏場でも安心して使用できます。

スポーティな印象だったステンレス製ブレスレットから一変、ストラップ仕様の本作はドレッシーな雰囲気に。ラバーとアリゲーターのミックス仕様は、現代的なコンステレーションとの相性が良く、実用性も考えられています。別売りにはなりますがステンレス製ブレスレットに交換することも可能です。

ゴールド×グリーンが上品な印象を与えるドレス・コンステレーション

オメガ「コンステレーション」グリーン文字盤モデル
品番:131.23.41.21.10.001
ケース:ステンレススティール×18Kイエローゴールド(直径41mm、厚さ13.5mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:159万5000円(税込み)、2025年9月現在

続いて3本目、ステンレスと18Kイエローゴールドとのコンビネーションが美しい、上品さにあふれた1本がこちらです。コンステレーションの象徴的な4本のツメと、ストラップとの接続パーツ、リュウズに加えて、文字盤上の針やインデックスも18Kイエローゴールド製。深いグラデーションがかけられたグリーン文字盤がゴールドとのコントラストを高め、十分な視認性も確保しています。

ステンレススティール、18Kイエローゴールド、セラミックという3素材のコンビネーションが美しいケース。ポリッシュやサテンなど、パーツごとに仕上げを分けることで素材同士のコントラストを高めています。

一方で文字盤を取り囲むベゼルはブラックセラミック製です。注目はベゼル表面のローマ数字。先述のブルーセラミックベゼルと同じように、このローマ数字はプリントではなく別素材の流し込みによるもので、本作では「セラゴールド」というオメガ独自の技術が用いられています。これは、セラミックとゴールドを結合させ、セラミックの表面にゴールド製の装飾を施すという、非常に手間がかかる手法。そのためプリントなどでは表現できない、イエローゴールド本来の色味でローマ数字が輝くのです。

また本作もストラップ仕様で、ラバーの表面にアリゲーターレザーを縫い付けたものであるため、本来のアリゲーターストラップのように夏場でも汗を気にする必要がありません。

腕に着用すると、随所に使われた18Kイエローゴールドの存在感が際立ちます。濃くグラデーションの入ったグリーン文字盤は、明るい場所では発色良く輝き、暗い場所では黒子に徹します。

シルクのような文字盤が高貴なブラウンセラミックモデル

オメガ「コンステレーション」シルクエンボス文字盤モデル
品番:131.23.41.21.06.002
ケース:ステンレススティール×18Kイエローゴールド(直径41mm、厚さ13.4mm)、50m防水
ムーブメント:Cal.8900(自動巻き)
機能:時・分・秒、日付
価格:159万5000円(税込み)、2025年9月現在

最後にご紹介するのは、ステンレスと18Kイエローゴールドとのコンビネーションに、ブラウンカラーのセラミックベゼルを組み合わせたモデルです4本のツメ、ストラップとの接続パーツ、リュウズ、そして文字盤上の針やインデックスが18Kイエローゴールド製となっています。また先述したように、ベゼルのローマ数字は「セラゴールド」技術によって施されている点も共通しています。

本作だけの特徴は文字盤にあります。シルク素材のようにも見える文字盤の表面にはランダムなエンボス加工が施され、なんとも独特な雰囲気を漂わせています。注視すると細かな線が斜め方向に無数に入っており、そこに光が入ることで角度により立体的にも平面的にも見えるのです。

型を押し当てるエンボス加工によって施された、非常に細かなシルクパターン。クローズアップして観察すると、ランダムな間隔で斜めに線が交差していることが分かります。これにより、肉眼で見た際になんとも形容し難い独特な模様が生まれるのです。

また本作のストラップは、セラミックベゼルに合わせたブラウンカラー。ステンレス製ブレスレットの仕様とは全く別モデルに見えるほど高貴な印象を受けます。しかしながらケースからシームレスにつながる美しい曲線は健在。スポーティーとドレッシーが交差する、上品なコンステレーションです。

あたたかさを感じさせる暖色系のトーンでまとめられた本作。日本人の肌馴染みも良く、過度に18Kイエローゴールドを使いすぎていないため高貴で品の良さがうかがえます。

さて、ここまで代表的な4モデルをご紹介いたしましたが、これらはほんの一部です。コンステレーションは非常に種類が豊富で、特にバリエーション豊かなレディースモデルを含めると、なんと247種類も用意されています(2025年9月現在)。そのうちメンズモデルは、ストラップの仕様違いなども含めると60種類です。数多く用意されたバリエーションの中から、貴方好みの1本を探してみてください。

この記事の監修

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