野性味あふれるMR-Gフロッグマンの新顔。2025年新作「MRG-BF1000RC-3AJR」のご紹介

フロッグマンの名を冠するMR-Gは2023年に発表されましたが、2025年4月に発表された新作「MRG-BF1000RG-3AJR」はMR-Gフロッグマンシリーズに新しい表情を与えました。これまで黒で染めていた外装をチタンそのもののシルバー色で仕上げ、そこに世界最大のカエルとして知られる「ゴライアスガエル」をイメージしたというカーキグリーンのストラップを合わせたのです。今回はそんな本作の魅力を掘り下げていきます。

目次

「フロッグマン」という防水時計の証

カシオからフロッグマンの名を冠する時計が発売されたのは1993年のことでした。深い潜水を行うダイバーのために作られたフロッグマンは、ISO(国際標準化機構)によって厳格に決められた規格をクリアしながらも、G-SHOCKの名に恥じない耐衝撃性能も兼ね備えた画期的なダイバーズウォッチとして誕生しました。

1991~1992年にかけて開発され、1993年に初の製品化を果たした初代フロッグマン。開発者いわく、フロッグマンとはこの時計の開発コードとして呼んでいた名前だそう。G-SHOCK初となる、ISO規格に準拠した200mの防水性能を備えており、左右非対称の特徴的なケースなこのときに生まれたものです。

そもそも「フロッグマン」とは、水中で軍事活動を行う工作員を指す言葉であり、初めてG-SHOCKにつけられたニックネームでもありました。左右非対称ケースという外見的な特徴も相まって、初代の誕生から30年以上たった今でも続いている人気のシリーズなのです。

そしてMR-Gとは、樹脂系の素材で覆われたG-SHOCKを金属素材で作り替え、”フルメタル”というコンセプトの下で耐衝撃性能と高級感を両立させたシリーズです。1996年から展開をスタートさせ、カシオが持つ最新技術や日本の伝統技法などを織り交ぜながら、”高級G-SHOCK”としての立ち位置を確立し、今日まで展開を続けてきました。

MR-Gとして昇華されたフロッグマンはまさしく上質そのもの。左右非対称というコードを守りながら、幾度となくモデルチェンジを繰り返したフロッグマンの最進化形が本作です。

この「フロッグマン」と「MR-G」というふたつの要素を組み合わせ、フロッグマンの名を冠するMR-Gとして誕生したのが2023年発表の「MRG-BF1000R」シリーズになります。特徴的な左右非対称の立体的なケースを、MR-Gの原則に則り金属(チタン製)のパーツで覆うことで、まさしく高級感あふれるまったく新しいフロッグマンに仕上げたのです。

コンセプトは世界最大のカエル!素材を活かした外装カラーリング

これまでのMR-Gフロッグマンは、チタン製の外装パーツにDLCコーティングを施すことで表面を黒くし、時計全体が黒いシックな雰囲気に仕上げていました。実際、MR-Gのコレクションを見ると大半のモデルが黒いことがお分かりいただけるでしょう。

一方で、このシリーズに加わった今回の新作 「MRG-BF1000RG-3AJR」では、このDLCコーティングを行っておらず、チタン素材そのままの色になっています。ステンレスより硬く軽量なチタンは白みがかったシルバーカラーであり、実機を見るとこの色味がフロッグマンのケースの立体感を強調させていることが分かります。パーツ構成や機能はこれまでとまったく変わっていないのですが、表面の処理を変えることで、まるで全く別シリーズのモデルかのように仕上げているのです。

チタン製の外装の造形美が際立つケースサイド。配置されたリュウズやボタン類は、潜水時にグローブを着けていても操作しやすいようにできるだけ大きくなっています。

面白いのは本作のコンセプトでしょう。フロッグマンという名を象徴するカエルですが、本作は世界最大のカエルである「ゴライアスガエル」をイメージしたカラーリングになっています。なんと体長は30センチほどで、手足を伸ばすと80センチほどにもなるという大型の両生類です。

縦56×横49.7mm、厚さ18.6mmのMR-Gフロッグマンは腕時計としても大型なので、この規格外とも言える大型のカエルをコンセプトに採用したのは納得です。ケースの裏ぶたはサファイアガラスを組み込んだ構造になっており、その表面には潜水具を身に着けたカエルのキャラクターがあしらわれ、遊び心も感じられるポイントです。

ケースを裏返すと現れるカエルのキャラクター。サファイアクリスタルは蒸着によりグリーンに染められており、刻印されたキャラクターや模様に奥行きを感じさせます。

そして本作には、ゴライアスガエルの体色や生息地である熱帯雨林をイメージしたカーキグリーンのストラップが採用されました。一般的なラバーバンドではなく「デュラソフトバンド」と呼ばれるもので、表面にフッ素加工を施すことで高い柔軟性を実現しているのです。

実際に「デュラソフトバンド」に触れるとその柔軟性を実感できるでしょう。手首へのフィット感が向上するうえ、フッ素加工により一般的なラバーバンドよりも耐久性が高いのが特徴です。

時計本体も分厚く、着用しづらそうに見えるかもしれない造形ですが、軽量なチタンケースと柔軟なストラップが相まって、手首が細い方でも高いフィット感が得られるように設計されています。シルバー×ブラック×グリーンという色の組み合わせは、G-SHOCKの高機能シリーズ”陸G”こと「マッドマスター」にも見られ、野性味あふれるコンセプトにもうまく合致している印象です。

また同シリーズにはチタンブレスレットが付属する漆黒のモデル(MRG-BF1000B-1AJR)が存在しますが、こちらはさらに力強い印象で、まるで鎧をまとう武士のよう。MR-Gフロッグマンには共通して、ケース裏側のボタンを押しながらピンを抜いてストラップの着脱が行えるのも嬉しいポイントです。

12・6時位置に配されたボタンを爪楊枝などの細い棒で押し、そのままの状態でピンを引っ張るとストラップの着脱が可能。時計本体とストラップのクリーニングを行う際にも非常に便利です。

フロッグマンとしての妥協なき性能

MR-Gがいくら上質で高級品になろうとも、耐衝撃性能という根幹が揺らくことはありません。一つ一つのパーツを見直し細分化することで、むしろその性能は向上しています。前述したチタン製のケースは計70以上のパーツを組み合わせて出来ており、200mの防水性能と耐衝撃性能、さらには上質で美しい仕上げを両立させるための設計がなされています。特に防水性能に影響するボタン周りの構造が特徴的で、防水パッキンや緩衝材を含む複数のパーツが組み込まれているのです。

リュウズやボタン周りを分解したイメージ(写真はMRG-BF1000R-1AJR)。クラッドガード構造と呼ばれ、衝撃吸収材としてフッ素ラバー製のパーツを組み込むことで、耐衝撃性と気密性を両立させています。

それからダイバーズウォッチとしての機能も忘れてはいけません。電波ソーラーのため1秒たりとも遅れ・進みを許さない時刻表示の正確性はもちろん、Bluetoothを用いたモバイルリンク機能も装備しているので怖いもの知らずです。G-SHOCK専用のアプリと接続することで、300都市のワールドタイム表示やダイビング情報の記録、タイドグラフ(=潮の干満をグラフで示す潮位表)の設定、携帯電話探索機能など充実したものになっています。

G-SHOCKシリーズから一変したのはケースだけではありません。歴代フロッグマンは針を用いないデジタル表示だったことに対し、MR-Gである本作はあえて針だけを用いたアナログ表示になっています。デザインとしての機能美を求めると同時に、視認性にも強くこだわっています。

その中でもフロッグマンらしい機能が、潜水時間と水面での休息時間を計測する「ダイブモード」と、ダイビングスポットの潮汐情報と現地の時刻を示す「タイドグラフモード」を切り替えて使えることでしょう。G-SHOCKのように液晶画面を使わずあえてアナログ針のみで表示することによって、直感的な視認性を高めているのです。また明るいLEDライトを備えているので、海の深部や夜間のダイビングでも安心して着用できます。

本作を着用した様子。確かに大柄なケースですが、チタン製ケースのおかげで外見より重さは感じられず、前述のデュラソフトバンドによりフィット感が向上している点を実感します。

カシオが初代フロッグマンから培った防水性能や独自のなデザインを受け継ぎ、最新の技術を惜しみなく投入した、なんとも贅沢なMR-Gフロッグマン。これまで真っ黒な外装ばかりで敬遠していた方にこそ見てほしい、MR-Gの新しい顔としてふさわしい1本でしょう。

【スペック】

G-SHOCK MR-G「フロッグマン」

品番:MRG-BF1000RG-3AJR

ケース:チタン(縦56mm×横49.7mm、厚さ18.6㎜)、200m防水

ムーブメント:タフソーラー(クォーツ、フル充電時のパワーリザーブ約5か月、パワーセービング時約29か月)

機能:時・分・秒、デュアルタイム(27タイムゾーン表示)、ストップウォッチ、タイマー、時刻アラーム、LEDライト、タイドグラフ、Bluetooth接続によるアプリ連携

価格:57万2000円(税込み)、2025年8月現在

この記事の監修

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