裕人礫翔氏の箔作品を腕へ。MR-Gの30周年を祝う限定モデル「MRG-B2100HR-1AJR」の凄さとは

1996年の誕生から30年という節目を迎えた、カシオの最上位ウォッチブランド、MR-G。G-SHOCKのタフネス構造をメタル素材で武装し、”壊れない高級時計”を作り続けてきました。その節目の年を記念する最新作が、プラチナ箔を纏った限定モデル「MRG-B2100HR-1AJR」。世界的な箔アーティストの裕人礫翔(Hiroto Rakusho)氏が生み出す独創的な世界観が表現された特別な1本をご紹介いたします。

目次

”箔アーティスト”裕人礫翔氏の世界

カシオの最上位ウォッチブランド「MR-G」と日本の伝統工芸の世界には深いつながりがあります。古来より伝わる伝統的な技法や、工芸品が持つ美意識、そして職人の手仕事を、腕時計という小さな世界に落とし込んだ限定モデルを数多く手がけてきました。ベゼルに鳳凰の彫金を施した「鐵鐔(くろがねつば)」や、ブレスレット全体に鎚目を打ち込んだ「鎚起(ついき)」など、戦国時代の武具や日本刀に着想を得た特別モデルの数々。それはまさにMR-Gが掲げた、日本の先端技術と伝統の匠の技を融合させ、新たな価値を生み出していくというテーマを体現しています。

MR-G「MRG-B2100HR-1AJR」
チタン×コバリオン製ケース(49.5 × 44.4 × 13.6 mm)。20気圧防水。タフソーラー。110万円(税込み)。世界限定800本。少数のみ入荷予定。小林時計店オンラインストアの商品ページはこちら

そんなMR-Gは2026年、ブランド誕生から30周年を迎えました。今回ご紹介するアニバーサリーモデル「MRG-B2100HR-1AJR」は800本のみ製作され、その長い歴史の節目としてふさわしいものに仕上がっています。まず本作の魅力を紐解く前に、作品のコンセプトや文字盤の仕上げを手掛けた人物である、裕人礫翔(Hiroto Rakusho)氏についてご紹介いたしましょう。

裕人礫翔(Hiroto Rakusho)氏は1962年京都市西陣生まれ。いま世界的に注目を集める伝統工芸師であり、その肩書きは”箔アーティスト”です。箔の伝統工芸士である父の家業を引き継ぎ、40歳まで西陣織の箔伝統工芸師として活躍されました。父から受け継がれた伝統的な技術・技法を活かしながら、数々の神社仏閣にある屏風絵や襖絵などの、特に箔の部分を復元するという仕事を行ってきました。

↑裕人礫翔氏。高いコントラストを用いながら「陰と陽」「静と動」「光と闇」といった日本の美意識や、幽玄な世界観を表現。氏の作品には「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」呼ばれる、暗がりや陰影の中にこそ日本独自の美しさがあるとして、それを讃えるというテーマも存在しています。

2002年、40歳になったことを機に、「自身が引き継いだ日本の伝統技術を、日本だけではなく世界に伝え残したい」という思いから、”箔アーティスト”としての挑戦を決め独白のブランド「裕人礫翔」を設立。ニューヨーク、パリ、ロンドン、クウェート、シンガポールなど、世界各地で唯一無二の作品を発表・展示してきました。

2006年には、国宝「風神雷神図屏風」を高精細複製で作製し、京都の建仁寺へ奉納。シアトル美術館やメトロポリタン美術館等の海外に所蔵される作品の複製プロジェクトにも協力しました。これら文化複製の質の高さや文化的価値が認められて「京版画」として商標登録されています。2020年以降は「エスパシオ 名古屋キャッスル」など高級ホテルのロビーに飾られたシンボルや客室の装飾品としても積極的に作品を発表し、映画やテレビ・雑誌などでも作品が取り上げられ、その注目度は高まるばかりです。

その中で特に大きく知名度を上げた出来事をひとつご紹介。安倍晋三元首相の妻であり、書家としても活動を行う安倍昭恵氏は2025年10月、日米首脳会談のために来日していたトランプ米大統領と東京都内で面会を行いました。そこで「和」「Peace(平和)」と書かれた自身の書がトランプ氏へ送られたのですが、この書を箔で彩ったのが裕人礫翔氏だったのです。2人は同年11月に清水寺にて共同で個展を開くなど、他分野とのコラボレーションも積極的に行っています。

箔作品と腕時計の融合

そんな世界が注目する裕人礫翔氏が想像する世界は、どのようにしてMR-Gと出逢ったのか。本作の企画担当者であるカシオ時計事業部の佐藤貴康氏は公式のインタビューで次のように話しています。「(前略)裕人礫翔氏は国内外で精力的に作品を発表する一方、文化財の保存や修復にも携わっており、伝統技術の継承と新たな表現の創出を両立されています。伝統を守りながら挑戦を続ける姿勢に、MR-Gとの共通点を感じていました。」日本のブランドとして、また日本人として、古来より伝わる伝統的技法を未来へ伝承する。このことが両者の共通点だったというわけです。

↑「MRG-B2100HR-1AJR」は、これまでのどの限定版MR-Gにも無かった雰囲気を醸し出しています。

本作「MRG-B2100HR-1AJR」のコンセプトは「悠(はるか)」。この漢字には”悠久の時”や”果てしない広がり”といった意味を持ちます。はるか昔から1000年以上の時を経て受け継がれてきた箔の伝統技法を用いた文字盤を”過去から現在”、その文字盤を取り囲む虹色に輝く外装を”未来”として見立てているといいます。加えて「時を超える強さと美しさ」というテーマを持っており、タフネスを追求したMR-Gというブランドの強さと、箔の普遍的な美しさを融合した、”作品”と評するべき1本なのです。

それでは細部に迫ってまいりましょう。まずは本作の顔である文字盤です。この文字盤こそ、裕人礫翔氏自身の手によって1枚1枚製作されたもの。複雑な形状の文字盤のベースとなったのは、これまでのMR-G2100シリーズで採用されてきた「木組」モチーフのデザイン。表面のわずかな開口部から外光を取り入れ、その下に設けられたソーラーセルに光を届けるための意匠です。

↑文字盤の製作工程。プラチナ箔の作り出すまだら模様は手作業によって施されるため1点1点異なる表情を持ちます。

そして表面には、プラチナ製の箔が繊細に施されています。もちろん、この表面のデザインを決めるのは礫翔氏の腕であり、まさに1点もの。箔を細かな粉末状にした「砂子(すなご)」をまばらに配置していくことで表面に煌めきが生まれ、また濃淡のぼかしを入れて奥行き作り出すような工夫もなされています。プラチナ箔を自在に操ることのできる礫翔氏の技術力と感性が、この文字盤に現れているのです。

文字盤の製作は、MR-G製造の本拠地である山形カシオの工場に礫翔氏を迎えて行われました。埃や塵が文字盤に載ってしまうことを防ぐためにクリーンな空間で作業を行ったそう。特に、木組状の凹凸のある文字盤表面に箔を美しく定着させることが最も苦労したといいます。箔の素材や量の調整を行いながら何度も試作を重ね、箔のアート性とMR-Gとしての耐久性を両立させる、最適な仕様を編み出しました。

↑礫翔氏の手によって文字盤表面にプラチナ箔が施される様子。

製作行程自体は全部同じですが、箔が持つ表情はひとつひとつ異なります。800本あれば800通りの顔がある。唯一無二の文字盤は、オーナーの所有欲を満たしてくれることは間違いありません。

”未来”を表現した堅牢な鎧

本作を特徴づけるのは文字盤だけではありません。タフネスを追求したMR-Gが誇る”鎧”、すなわち外装部品の装飾も独自の世界観を創り出しています。見る角度によって変化する虹色のテクスチャーが目を惹くケースとベゼル。虹色というのは礫翔氏の箔作品にも多く見られる要素で、曰く「未来」を表現するための色彩表現なのだといいます。この外装デザインは、礫翔氏の箔作品や伝統技術、MR-Gというブランドの”未来”を表現しているのです。

見れば見るほど不思議な質感を持つこの外装表面には、最先端技術を応用した試みがなされています。それが「構造色」の活用です。構造色とは、色素ではなく物質の表面に施された微細構造が外光を反射することで、見る角度により色合いが変化する光学現象のこと。自然界では鮮やかで美しい鳥や蝶の羽、貝の表面、鉱物など、人工物ではDVDのディスク裏面やシャボン玉などに見られます。

↑ポリッシュされたコバリオン製のベゼル表面に構造色を生み出すレーザーを施す工程。

この構造色を、時計の外装に取り入れるにはどうすればよいか。導き出された答えは「超短パルスレーザー」という技術でした。極めて精密な照射精度により、ベゼル天面やブレスレットのコマにミクロン単位の微細加工を施すことで、このような色味をつくり出すことに成功しました。

↑チタン製のブレスレットにも同様にレーザー加工を実施。表面の色を暗くするためコーティングも併用されます。

表面に熱ダメージを与えながら、礫翔氏の箔作品に多く見られるランダムなテクスチャーをレーザーで微細に彫り込み、暗めのコーティングも施すことでプラチナ箔を施した文字盤と自然につながるデザインに。時計全体でひとつの箔作品として魅せるためのこだわりが随所に見られます。また塗装ではないためはがれたり劣化する心配がなく、この美しい輝きを長期間維持できるのも大きな魅力でしょう。

そして、美しさとともにMR-Gとしての高い耐久性も忘れてはいません。本作はこれまでのMR-G2100シリーズの構造を継承しており、ケースを構成するパーツを細分化し各部に緩衝体を組み込んだ「マルチガードストラクチャー」構造によって耐衝撃性を高めています。G-SHOCKでは一体成型させるベゼルが本作では27ものパーツで構成されており、エッジの際立った造形と高級時計に相応しい仕上げにも注目です。

↑27ものパーツが組み合わせられたベゼルと、搭載するムーブメントを保護するケース本体。

象徴的な8角形のベゼルには、純チタンの約4倍の硬度でプラチナのような明るい輝きを放つ硬質素材「コバリオン」を採用。またブレスレットに純チタンの約3倍の硬度を持つ「DAT55G」を、それ以外のケース本体やケースバック、サイドンボタン・リュウズには「64チタン」を使用し、外装全体で”装甲”を固めています。表面にはDLCコーティングを施すことで、耐摩耗性と美しさも向上しています。

↑20気圧の防水性能を確保するチタン製のケースバックと、強靭な耐久性を持つブレスレット。このブレスレットのコマもG-SHOCKは一体成型ですが、MR-Gでは複数のパーツを組み合わせています。

最後に

いかがでしたでしょうか。箔という日本の伝統工芸とカシオの最先端技術が融合した、”作品”と称するべき800本の限定モデル「MRG-B2100HR-1AJR」。世界が注目する箔アーティストである裕人礫翔氏がMR-Gと出逢ったことにより、氏のアート作品を腕に着けて、しかも普段使いにおいても楽しめるという今までにない価値を提供する1本です。

小林時計店では、本作をはじめMR-Gの稀少な限定モデルをご提案できます。その理由は、当店が全国に7店舗しかないカシオの大型コンセプトショップ「EDGE(エッジ)」だからです。福岡県北九州市にある魚町店は九州唯一のコンセプトショップであり、新宿、表参道、和歌山、岡山、高松、松山に続く国内7店舗目となり、九州地区では初。定番の人気モデルはもちろん、EDGEでしか見られないレアモデルも数多く揃います。

↑小林時計店 魚町店
福岡県北九州市小倉北区魚町1丁目3-3
お問い合わせ TEL:093-521-0013

本作に少しでもご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修

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小林時計店

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