スコアアップを目指せる!ゴルフに特化したガーミンのスマートウォッチ「Approach(アプローチ)」シリーズの魅力とは

GPS性能に優れたスマートウォッチという分野において、いま急成長を遂げているのがガーミンです。スポーツやアウトドア、ウェルネスなど、様々な用途に特化した多彩なモデルを用意しています。

今回ご紹介するのは、その中でもゴルフに特化した性能を備えたスマートウォッチ「Approach(アプローチ)」シリーズです。ここまでゴルフ機能に特化したスマートウォッチは他ブランドでも少ないこともあり、プロゴルファーからの支持も厚く、多彩な機能と周辺機器を活用しながら、気軽にスコアアップを目指せます。ゴルフを愛するあなたに、ぴったりのモデルを探してみましょう。

目次

GPSという武器で成長を続けるガーミン

ガーミンは現在、数多く存在するスマートウォッチを手掛けるブランドの中で、世界シェア2位となった実績を持つ実力派として急成長を遂げています。

ガーミンの歴史を振り返ると、創業年は1989年と比較的若く、当初は船舶や航空機に登載するためのGPSナビゲーションシステムを開発する小さなメーカーでした。ガーミンという社名の由来にもなった2人の創業者、ゲイリー・バレル氏とミン・H・カオ氏は、GPS機器開発の黎明期だった当時に、この分野に特化したデバイスを生み出すことを決意したのです。

乗り物用ナビゲーションシステムのような複数のプロフェッショナル向け製品を開発する中で、最大の強みであるGPS技術を一般の製品にも転用しようと試みたのは2003年のこと。現在のGPSスマートウォッチの元祖ともいえる「Forerunner 201」というランナー向けの腕時計型デバイスを開発しました。リアルタイムで自身の走行データを手元で確認できる画期的なものでした。

当時数少なかったウェアラブルデバイスの一種であったForerunner201は、現在のGPSスマートウォッチの祖ともいえる存在となりました。

さて、今回ご紹介する「Approach(アプローチ)」シリーズが誕生したのは2009年まで遡ります。世界初のGPS機能を搭載したゴルフナビゲーションデバイス「Approach G5」を世に送り出し、初めてゴルフ市場に参入しました。

ラウンドの分析やゴルフ場のマップ表示、ショットの追跡など、ゴルファーにとって有益な情報を提供してくれる「キャディ」のような存在として普及。後にスマートウォッチのみならず、小型のナビゲーションやレーザー距離計、ゴルフクラブに装着できるトラッキングセンサー、据え置きのレーダー弾道測定器などを展開し、あらゆるデバイスでゴルファーを全面的にサポートしているのです。

小型ゴルフナビゲーションシステム、Approach G5。世界初のGPS機能を搭載したゴルフ用端末となりました。ここで培われた技術が今のApproachシリーズに活かされています。

本格的なプレイから普段使いまで、幅広く活躍するスマートウォッチ

Approach(アプローチ)とは、ガーミンが展開するゴルフ向け製品全般に使われている名称です。スマートウォッチだけではなく、前述のようなナビゲーション端末や測定のための周辺機器類などが複数含まれていますが、その中で今回ご紹介するスマートウォッチのコレクションは大きく分けて4種類となっています(2025年9月現在)。

ゴルフのプレイにおいて全面的にサポートするガーミン。これらのスマートウォッチに接続できるデバイスは、クラブに装着できるトラッキングセンサーや、スコープ型のレーザー距離計、地面に置くポータブル弾道測定器など多岐にわたります。写真はApproach S44。

必要最低限の機能を持つ軽量エントリーモデル「Approach S12」、ひと通りの機能が揃ったスタンダードモデル「Approach S44」、さらに日常使いでも役立つ機能を加えた「Approach S50」、充実の機能性と美観を両立したハイエンドモデル「Approach S70」です。

それぞれ価格帯に応じて登載する機能が異なっており、ディスプレイの明瞭さやバッテリー持ちなど細かなスペックを見ながら、自身に最適なモデルを見つけてみましょう。それでは、各モデルの紹介に移りましょう。

Approach S12

Approach S12:左からグラナイトブルー、ホワイト、ブラック、2万5800円(税込)。

まずはエントリーモデルの「Approach S12」です。2万5800円(税込)と手に取りやすい価格も魅力で、その特徴は必要最低限のゴルフ機能を備えた、完全ゴルフ特化型のデバイスである点。他の上位モデルとの大きな違いは、モノクロのMIPディスプレイ仕様のため、デバイスの操作は画面のタッチではなくケースサイドのボタンで行う必要があります。ただし、その分ディスプレイの表示もシンプルでコンスラストがはっきりしているため、直射日光の下でも優れた視認性を発揮します。

Approachシリーズで最も軽量であることも特徴で、本体の重量はわずか34.1g。併せて柔軟性の高いシリコンバンドが付いているおかげで、手首に着用していることをあまり気にせず使える点は、他のモデルにはない魅力でしょう。

エントリーモデルでありながら、世界中のおよそ4万3000ものゴルフコースの情報を取り込むことができます。日本国内でも数多くのゴルフコースが登録されており、随時コース情報の自動アップデートも行われます。現在登録されているゴルフ場はガーミンのホームページにも掲載されており、福岡県では61ヶ所(コース別では119種)のゴルフ場の登録を確認できます(2025年9月時点)。

ゴルフアプリと連携することで、プレー中の様々な場面で役に立ちます。登録されているゴルフコースを読み込んでマップに表示したり、別売りのセンサー類を接続してショットを詳細に記録することができます。

またエントリーモデルだからと言ってGPS性能が劣っているわけではありません。距離やスコアなど自身のプレイ情報を記録しながら、ゴルフ場の地形などを把握しながらプレイを進行することができます。プレイ情報はガーミンのゴルフアプリ上で管理できるため、スマートフォンでこれまでの情報を振り返ったり、他の人と共有したりと便利な機能が満載です。ビギナーのみならず、手慣れたプレイヤーのサポート役としても役立つでしょう。

Approach S44

Approach S44:左からブラック、トワイライト、4万4800円(税込)。

続いてスタンダードモデルとして展開される「Approach S44」。前述のS12との大きな違いは、フルカラーで高精細なタッチスクリーンを備え、ゴルフ以外のスポーツやスマートウォッチとして普段使いにも対応している点です。価格は4万4800円(税込)とS12から2万円ほどアップしますが、機能性と使いやすさが大きく向上しています。

目を引く1.2インチのスクリーンは「AMOLED(アモレッド)」と呼ばれる有機ELディスプレイの一種で、高精細な表示とその明るさが特徴です。晴れた日のプレイでも視認性を損なうことなく情報を読み取れます。また、このディスプレイを取り囲むベゼルはアルミニウム製のため本体の美観にも優れます。

カラフルなマップを詳細に表示できるのが、AMOLED(アモレッド)ディスプレイの魅力。有料サブスクリプション、Garmin Golf Membershipによりその効果が発揮されます。左から、木々の陰影まで加えられたコースレイアウト表示、登録地点からの距離を示すタッチターゲッティング(3点間距離計測)、コースの傾斜を表示できるGreen Contour。

機能面においては、前述のS12の基本的なゴルフ機能に加えて、スマートフォン用アプリ上の有料サブスクリプションや、ゴルフ以外のスポーツ4種目(ウォーク・ラン・バイク・プールスイム)をサポートする「マルチスポーツ」、またガーミンの外部測定デバイスにも幅広く対応しています。

サブスクリプションの機能としては、ゴルフコースの傾斜情報を表示する「Green Contour」、コース上の木々などが立体的に表示される「コースレイアウト(第2世代)」、コースの高低差の情報から打つべき推奨距離を示す「PlaysLike距離」などがあります。

ゴルフのための基本的な機能に加え、スマートウォッチとしても利便性を兼ね備えたS44。S12と比較して、ディスプレイの見やすさや日常使いできる機能を求める方は本作を選ぶべきでしょう。

Approach S50

Approach S50:左からブラック、アイボリー、6万7800円(税込)。

S44と並んで2025年1月に発表されたスタンダードモデルのひとつが「Approach S50」です。基本的なゴルフ機能は大差ありませんが、さらに日常使いを便利にするスマートウォッチとしての機能が強化されたモデルとなっています。

最大の違いは、ケースの裏面に光学式心拍計を登載している点です。これは、ランニング等のスポーツに特化した「Forerunner(フォアランナー)」シリーズなどと同様に、健康管理とウェルネス機能が充実していることを指します。

ディスプレイに表示されたデイリー機能の例。左から、スマートウォッチのメッセージ通知機能、体力量を%で表示するBody Battery、睡眠モニタリング、そして数多くの種目に対応したマルチスポーツ機能。

この光学式心拍系は心拍数を常にモニタリングするだけではなく、ユーザーのストレスレベルや、体力量を%で表す独自機能「Body Battery」、血中酸素濃度、睡眠の質などを計測できます。そのデータをもとに、プレイ中にパフォーマンスを発揮できるための健康管理まで行ってくれるのです。

また、時計本体に音楽を保存しておけるミュージックプレイヤー機能も搭載しています。これはワイヤレスイヤホンとBluetooth接続を行い、運動時に音楽を楽しめるというもの。特にウォーキングやランニング時には重宝する機能です。

加えて、本作を普段使いのスマートウォッチとして利便性を格段に上げてくれるのが、キャッシュレス決済「Garmin Pay」機能。国内では交通系の「Suica」に対応しているので、電車やバスなどの交通機関のみならず、交通系キャッシュレス決済に対応したお店ならどこでも「Approach S50」で支払いが可能なのです。

ガーミンのスマートウォッチは、中~上位機種になるとこのGarmin Pay機能が搭載されるようになります。Googleのアカウントからクレジットカードを登録することでいつでもチャージできるようになります。

ただし、そのぶん価格は6万7800円(税込)と上昇しますが、ゴルフや他のスポーツ機能も、普段使いの機能も充実させたいという方はこちら一択でしょう。

Approach S70(47mm/42mm)

左からApproach S70 47mm ブラック:9万9800円(税込)、Approach S70 42mm ホワイト、グレー:9万3800円(税込)。

最後は、本シリーズの中で最も機能が充実したハイエンドモデル「Approach S70」です。これまでのS12、S44、S50の機能をほぼ全て登載しており、プロゴルファーの”相棒”としてもその性能を遺憾なく発揮します。他モデルとの違いは、ケース直径が47mmと42mmの2サイズ展開であること。前者は9万9800円(税込)、後者は9万3800円(税込)と、価格もハイエンドらしいものになっています。

2024年秋にレギュラーモデルとして加わったApproach S70 ブロンズエディション。ベゼルの側面やボタン類、ストラップのバックル部分にブロンズカラーをあしらった高級感あふれるモデル。9万9800円(税込)。

2025年現在、ガーミンが提供しているゴルフに関する機能をすべて網羅しており、別売りのゴルフ用計測機器類にも接続可能となっています。特に、本作だけの面白いゴルフ機能が「バーチャルキャディ」というもの。ガーミンのゴルフアプリとの連携により、まるで専属のキャディが側にいるように今後のプレイを指南してくれるのです。ゴルフコースの場所や高低差、風向きと風速、過去に蓄積した自身のショットデータを自動で分析し、次のショットでどのクラブを使用して、どのあたりを狙えば好成績を目指せるかを判断します。

ディスプレイに表示されたコースマップ上には次のショットの予想着弾位置が示され、ホールインまでの予想ショット数も提示されるため、今後のプレー予測も可能。また、このバーチャルキャディが推奨するクラブの番手が自身のイメージと違った場合は、他のクラブを使用して打った場合の予想着弾位置を表示させることもできます。

バーチャルキャディ機能を使用した画面表示の例。過去のプレイデータをもとに、使用するクラブの平均飛距離やショットの着弾地点地点をマップ上で見やすく表示してくれるのです。

本作はハイエンドモデルですが、このバーチャルキャディのようにゴルフの練習を行う初心者にこそ役に立つ機能も満載です。数多くの機能を使いこなすことが、スコアアップの近道なのかもしれません。

スコアアップを目指せる多種多様な機能

ガーミンのゴルフアプリは無料でインストール可能。これまで計測してきたプレイデータをここで一括管理することができ、アプリとの連携によって多くの機能は成り立ちます。

このApproachシリーズは、エントリーからハイエンドまで数多くの機能を備えています。その中で特にプレイヤーがスコアアップを目指すために役に立つ一部の機能をご紹介します。ただし、機能によって対応モデルが限られている点をご留意ください。

ゴルフ機能機能の内容
コースレイアウト表示ゴルフコースの全体マップを表示し、現在位置や進行方向などを把握できる。
ハザードビュー現在地と、コース上に点在するハザード(砂地や池など)までの距離を表示。
風速・風向き表示アプリとの連携により、現在位置の風に関する情報を表示。(S70のみ)
ピンポインター立てるピンの方向と距離を表示。大きく曲がったドッグレッグコースや、ゴールが見えないブラインドホールで狙うべき方向を明確化。(S70、50、44のみ)
タッチターゲッティング現在位置から任意の地点までの距離、また任意の位置からピンまでの距離を表示。(S70は標準搭載、S50と44は有料サブスクリプション)
PlaysLike距離気象情報やコースの形状・高低差を考慮し、打つべき推奨距離を表示。(S70、50は標準搭載、S44のみ有料サブスクリプション)
バーチャルキャディ自身のショットデータや現在の周辺環境から、次のショットに最適なクラブや打つべき場所を提案。(S70のみ)
ショット距離計測打ったボールの飛距離を測定。このデータから、打ち方やクラブの選択を最適化する。(S12のみ手動で計測)
グリーンビューコース上のグリーンの形状やその周囲のレイアウトを表示。主導でピンの位置を調整でき、グリーンを狙うショットを打つ際に役立つ機能。

これらに加えて、Approach S70、50、44に登載された、ゴルフ以外のスポーツや日常生活において役に立つデイリー機能をご紹介します。こちらもゴルフ機能同様にスマホとの連携が必要です。

デイリー機能機能の内容
Body Battery自身のエネルギー量をゲームキャラのHPのように%表示で可視化。
ストレス心拍数の計測値からストレス状態をモニタリング。一日の中でどの位ストレスを感じているかをグラフ化。(S70、50のみ)
ステップ歩数計に加え、階段を何階分上がったか、下ったかを計測。
Garmin Pay交通系のSuica決済で交通機関の利用・お店での買い物が可能。(S70、50のみ)
メッセージ通知スマホとの連携で、電話やメールなどの通知を表示。
天気現在位置の気象情報を1時間ごとに更新しながら表示。
睡眠レム睡眠とノンレム睡眠をモニタリングし、睡眠の質を管理。(S70、50のみ)
心拍数光学式心拍計により、心拍数の変動や運動強度をモニタリング。(S70、50のみ)
血中酸素トラッキング血中に取り込まれた酸素レベルを測定し、フィットネスのパフォーマンス向上を目指せる。(S70、50のみ)
ミュージックプレイヤー時計内部のメモリーに数百~数千曲の音楽を保存し、Bluetoothでワイヤレスイヤホンと接続。(S70、50のみ)
スケジュール表示スマホのカレンダーアプリと同期し、腕時計側でスケジュール確認が可能。
セーフティアクティビティ中の事故で援助が必要な場合、設定した緊急連絡先に位置情報を送信。

これらの他にも、本シリーズには数えきれないほどの機能が満載です。そのため、初めにエントリーモデルを使ってみて、機能性に物足りなくなったら上位モデルに乗り換えるというのも一つの手です。

現在国内で展開されているスマートウォッチは星の数ほどありますが、ここまでゴルフに特化したスマートウォッチとなると非常にその数が限られます。ガーミンの最も強い武器であるGPS性能という点においても、計測データの正確性は他の追随を許さない勢いで進化を続けています。

これからゴルフを始めるというビギナーにも、すでに活躍しているプロにも薦めたいApproachシリーズ。単にゴルフのプレイを記録するだけの道具ではなく、プレイ上達への指南や自身の健康管理まで行ってくれる専属のコーチのような存在になるでしょう。

悩ましいモデル選びにおいては、登載する機能はもちろんですが、サイズ感やデザイン性、カラー展開なども考慮しながら、あなたに合った1本を選んでみてはいかがでしょうか。

この記事の監修

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小林時計店

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