グランドセイコーの定番クォーツモデル「SBGP011」を初めての高級時計としてお勧めする理由

日本が誇る高級時計ブランド、ブランドセイコー。近年では時計全体の価格が高騰し、100万円を超えるモデルも増えてきている中、電池で動くクォーツのエントリーモデルは30万円台から購入することができます。

今回は、グランドセイコーの定番クォーツモデル「SBGP011」をご紹介。ずっと変わらないシンプルなデザインと質の高さから、高級時計を初めて購入されるという方にもお勧めできる1本です。

目次

初めての高級時計、何を重視する?

現在販売されている腕時計は豊富な種類があふれており、デザインや機能、価格帯など実に様々です。そしてその中の高級時計とは何かというと、言葉の意味としては曖昧で、明確な定義は決まっていません。

高級という言葉がつきますが、何も高いから良い、安いから悪い、ではないのです。この高い・安いという感覚も人それぞれですし、基本的には自由に解釈してよいでしょう。

日本が誇る高級時計ブランド、グランドセイコー。製品の品質、アフターサービスともに国内最高峰を誇ります。

筆者の個人的な考えですが、時計そのものが価格に相応しいものであるか、ということを重要視します。例えば、3000円のファッションウォッチを買ったとします。5年間使って壊れてしまい、メーカーの保証が切れて修理できないという事態になりました。悲しいですが、これは元値を考えれば仕方ないと思います。ところが、30万円の時計を買い、すぐに壊れ保証が切れて使えなくなった場合、悲しむだけでは済みません。

数千円のものは別として、決して安くない価格帯の時計を購入する際に大切なのは、その時計の「質の高さ」と、購入したあと何十年と長く愛用できるかを左右する、ブランドの「アフターサービス」をしっかりと吟味することです。

このような点において間違いないのは、国内で広く普及している歴史あるブランドの”定番モデル”を選択するという方法。今回ご紹介するグランドセイコーの定番クォーツモデル「SBGP011」は、このような条件に合う、初めての高級時計に相応しいモデルです。そのわけをご説明いたしましょう。

日本が誇る高級時計、グランドセイコー

日本で誕生し、最も歴史の長い時計ブランドはセイコーです。グランドセイコーという名称は、1960年に作られた1本のモデルに由来します。「世界に通用する高精度で高品質な腕時計を作りたい」という決意のもと誕生した初代グランドセイコーは、当時としても非常に高い精度と完成されたデザインで高い評価を得ました。

ちなみにグランドセイコーのクォーツが発売されたのは1988年のこと。当時から1年間に±10秒ほどしか時刻がずれない高い精度を実現していました。それから数えきれないほどのモデルを次々と生み出し、日本が誇る高級時計メーカーとして成長していったのです。

1988年にグランドセイコーの名を冠したクォーツモデル「95GS」が誕生。現代のモデルにも引けを取らない、当時としても非常に高い精度を実現していました。

これまでグランドセイコーは「セイコーの中の高級機シリーズ」といった立ち位置で展開されていましたが、2017年にブランドが独立。グランドセイコーという新たなブランドとして再スタートを切りました。

この出来事は時計のデザインにも影響をもたらし、文字盤に配された「SEIKO」の文字が排され、よりシンプルになりました。世界規模で広く展開していくという、グランドセイコーの覚悟の表れでもあったのです。

またアフターサービスの信頼性の高さも特徴で、通常の5年保証に加え、何世代にもわたって永く時計を使い続けられるように万全のサービス態勢を整えています。生産が終了した時計のパーツを長く保管している点や、国家資格を保有する技能士が、最初から最後まで一貫して作業を行うなど、安心してメンテナンスや修理を任せられるのです。

クォーツモデルにおいても、グランドセイコーのアフターサービスは単に電池交換だけにとどまりません。精度や操作性、ネジの緩みなど、数多くの検査項目を経た万全の状態でお客様のもとへ送られます。

一味違う高級クォーツ

現在グランドセイコーの価格帯は、数十万~高いもので数百万と、いかにも高級ブランドといった形で展開されています。大きく分けてゼンマイで動く「機械式」、電池で動く「クォーツ式」、そしてそれらの良いとこ取りをした独自のメカニズムを持つ「スプリングドライブ」の3種類に分けることができます。

この中で価格帯が最も低いのがクォーツ式。機械式ほどパーツ数が多くないため価格を抑えられているのですが、グランドセイコーのクォーツは他と一味違います。

本題の「SBGP011」が搭載するクォーツ式ムーブメントは「キャリバー9F85」というもので、精度の高さと耐久性を重視した高級機です。通常のクォーツ時計は1か月に20秒前後の誤差が生じてしまうところ、本機は電波時計ではないにも関わらず、1年間で±10秒以内に収めているのです。また、抵抗が大きく摩耗しやすい歯車の軸を支える部分に、機械式同様に人口のルビーを埋め込んで、より長く安定して動き続けるための工夫を行っています。

グランドセイコーが誇る「9F」クォーツが誕生したのは1993年のこと。精度や操作性、耐久性ともに、これまでにないクォーツ時計を生み出すという信念が現れています。

そして、安価なクォーツは全自動で大量生産を行うのに対し、この9F85は現在でも人の手で丁寧に組み上げられてるのです。何十年先も見据えて作られたクォーツは非常に珍しい存在でしょう。

飽きのこない”究極の普通”

腕時計を選ぶうえで、デザインは非常に大切な要素です。どれだけ質が高くて性能が良くても、その時計の外見が好みでなかったら、愛着を持って使い続けることにはならないからです。

この「SBGP011」が持つデザインは、グランドセイコーの定番モデルであると前述したように、根本的にはずっと変わっていません。極めてシンプル、言うなれば”究極の普通”。艶のある黒文字盤やシャープな針、40mmという大きすぎないケースサイズなど、一切の無駄を省いた完成されたデザインなのです。

グランドセイコーのヘリテージコレクションに属する「SBGP011」。”伝統に新しい命を吹き込む美しい日本の腕時計”をテーマに、クラシカルなデザインの中に現代らしさを取り込んだシリーズです。

グランドセイコーは代々、使いやすさと時刻の読み取りやすさを軸としたデザイン文法「グランドセイコースタイル」を確立してきました。それは針やインデックスの太さや文字盤の仕上げ、ケースの形状などといった部分が明確に決められており、その細かなルールに基づいてデザイン・設計されています。

特にパーツの細部に至る仕上げの美しさは、安価な時計とは一線を画すものがあります。仕上げレベルの高さに定評があるシャープな針やインデックスの端面に斜めのカットを入れ、文字盤を斜めから見た際の視認性を確保しているのです。

時計本体のみならず、ブレスレットの質感も高級機としてふさわしいものになっています。本体とブレスレットの重量バランスが考えられているため、着用した際に腕乗りが良いと感じられるでしょう。

このような意匠は、過度に主張せず嫌味がないため、着用できるシーンの幅広さも魅力。例えば本作を初めての高級時計に選ばれた新社会人の方ならスーツスタイルに完璧にマッチしますし、ブランドの知名度を考えても「いい時計を着けている」という印象を相手に与えられ、会話のきっかけにもなるでしょう。

また、初めはステンレス製のブレスレットが付属していますが、これを別売りの革製のベルトに交換すると一気にドレッシーな雰囲気に変化するのも面白いところ。普段よりフォーマルな冠婚葬祭などの場でも違和感なく着けこなす事ができます。

ケース直径40mm、厚さ10.6mmというメンズモデルとして標準的なサイズ感であるため、多くの方に馴染みます。10気圧の防水性能を備えているおかげで、汗をかく夏場や急な大雨でも安心して着用できます。

そんな「SBGP011」の税込み価格は、2025年8月現在36万3000円です。この金額だけを見ると決して安くはありません。しかし、腕時計としての高い質感や精度、そして購入後何十年も愛用し続けることを考慮すれば、きっと後悔のない選択肢になるはずです。

【スペック】

グランドセイコー「ヘリテージコレクション」

品番:SBGP011

ケース:ステンレススティール(直径40mm、厚さ10.6mm)、10気圧防水

ムーブメント:Cal.9F85(クォーツ式、電池寿命約3年)

機能:時・分・秒

価格:36万3000円(税込み)、2025年8月現在

この記事の監修

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